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HER2陽性胃癌に対するS-1+ docetaxel+trastuzumab併用療法の多施設共同第II相試験

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演  者:
香川 俊輔1、2、 村岡 篤3、 神原 健4、 中山 洋5、 濱野 亮輔6、 田中 則光7、 野間 和広1
田中屋 宏爾8、 岸本 浩行1、 黒田 新士1、 菊地 覚次1、2、 桒田 和也1、 西﨑 正彦1、 白川 靖博1、 藤原 俊義1
所属機関:
1岡山大学・大学院医歯薬学総合研究科・消化器外科学、 2岡山大学・病院・低侵襲治療センター、
3独立行政法人労働者健康安全機構香川労災病院・外科、 4公立学校共済組合中国中央病院・外科、
5姫路中央病院・外科、 6独立行政法人国立病院機構福山医療センター・外科、 7香川県立中央病院・外科、 8独立行政法人国立病院機構岩国医療センター・外科

【背景】HER2陽性胃癌に対するtrastuzumabは化学療法との併用でその有効性が示され、胃癌治療ガイドライン第4版ではcapecitabine+cisplatinとの併用が推奨されている。しかし、cisplatin投与には大量輸液を要し入院等の制限がある。trastuzumab併用療法において、より簡便な投与が可能な代替レジメンの開発が意義あるものと考え、今回S-1+docetaxel+trastuzumab併用療法の多施設共同第II相試験を行った。
【方法】対象はHER2陽性(免疫染色3+、あるいは2+かつFISH陽性)の切除不能進行・再発胃癌で、補助化学療法以外の初回化学療法施行の患者。3週1サイクルのS-1(1日2回 40mg/m2内服, days 1-14), docetaxel ( 40mg/m2 点滴静注, day 1)にtrastuzumab (初回8㎎/㎏, 2コース目以降は6㎎/㎏の点滴静注, day 1)を加えた併用療法を病勢進行まで投与継続する。主要評価項目は無増悪生存期間(PFS)で副次評価項目は有害事象発生割合と程度、奏効割合(RR)、全生存期間(OS)、治療成功期間(TTF)とした。
【結果】各施設での倫理委員会での承認が得られた6施設から2011年11月から2016年4月まで23例が登録された。平均年齢が66歳(45-79歳)で症例の内訳は男性19例、女性4例。切除不能進行胃癌が17例、再発胃癌が6例であった。G3/4 の有害事象は好中球減少症(39%)、白血球減少症(30%)、下痢(4%)、皮疹(4%)で、その他1例に間質性肺炎を生じた。PFS 、OS、TTFの中央値はそれぞれ205日(6.8カ月: 95%信頼区間(CI)=4.2-10.3カ月)、532日(17.7カ月:95% CI=12.0-32.3カ月)、134日(4.5カ月:95% CI=4.1-6.5カ月)であった。CR/PRが各1/8例に確認されRRは39%であった。
【結論】S-1+docetaxel+trastuzumab併用療法は忍容性があり、かつ高い有効性が示唆された。


術後Stage II胃癌に対するS-1補助化学療法8コースと4コースを比較する第III相試験

演  者:
大橋 学1、 吉川 貴己2、 寺島 雅典3、 水澤 純基4、 西田 靖仙5、 加治 正英6、 福島 紀雅7
羽藤 慎二8、 丁田 泰宏9、 藪崎 裕10、 吉田 和弘11、 福田 治彦4、 朴 成和12、 佐野 武1
笹子 三津留13
所属機関:
1公益財団法人がん研究会有明病院・消化器外科、 2地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立がんセンター・消化器外科、 3静岡県立静岡がんセンター・胃外科、 4国立研究開発法人国立がん研究センター中央病院・日本臨床腫瘍グループ データセンター、 5社会医療法人恵佑会札幌病院・外科、
6富山県立中央病院・外科、 7山形県立中央病院・外科、 8独立行政法人国立病院機構四国がんセンター・外科、 9広島市立広島市民病院・外科、 10新潟県立がんセンター新潟病院・消化器外科、
11岐阜大学・大学院医学系研究科・腫瘍外科、 12国立研究開発法人国立がん研究センター中央病院・消化管内科、 13兵庫医科大学・集学的腫瘍外科

【背景】ACTS-GC試験の結果、術後Stage II胃癌に対して行うS-1補助化学療法8コース1年間は、標準治療として確立している。しかしながら、ACTS-GC試験で選択された補助化学療法の1年間という期間に、エビデンスはない。一方、結腸癌の補助化学療法では、期間を比較した第III相試験の結果、6か月間として確立している。胃癌Stage IIに対して行うS-1補助化学療法の期間を、生存を悪化させることなく4コース6か月間に短縮できるか否かは明らかではない。
【方法】我々は、術後Stage II胃癌に対して、8コースのS-1に対する4コースのS-1の無再発生存期間(RFS)における非劣性を検証する多施設共同第III相試験を計画した。主要な適格規準は、T1/T3N0を除く病理Stage II、PS 0-1、臨床Stage IIに対してD2胃切除を施行もしくは臨床Stage Iに対してD1+胃切除を施行しR0切除が得られている、術後7週以内である、年齢20歳から80歳。Primary endpointはRFS。主要なSecondary endpointは全生存期間(OS)、S-1の治療成功期間(TTF)、有害事象。80 mg/m2のS-1の4週間投与2週間休薬を1コースとした。両群の期待3年RFSを85%とし、ハザード比の非劣性マージンを1.37、片側α5%、検出力80%で、サンプルサイズ1000例とした。
【結果】2012年2月から2017年3月に590例が登録された。528例を対象としてプロトコールで計画された第一回中間解析が2017/3/18に施行された。8コース群に対して4コース群のRFSにおけるHRの点推定値が非劣性マージンを超えており、無効中止規準を満たしたため、効果・安全性評価委員会より試験中止を勧告され、本試験は無効中止となった。3年RFSは、8コース群95.3%、4コース群88.9%(ハザード比2.52、95%CI:1.11-5.77)であった。3年OSは、8コース群97.7%、4コース群91.7%(ハザード比5.18、95%CI:1.50-17.89)であった。
【結論】術後Stage II胃癌に対するS-1補助化学療法は、忍容性がある限り1年間継続すべきである。


胃癌術後1か月の体重減少は局所進行胃癌の生存に影響を及ぼす重要な因子となる

演  者:
青山 徹1、2、 佐藤 勉1、2、 前澤 幸男1、2、 林 勉1、2、 山田 貴允1、2、 湯川 寛夫1、 大島 貴1
利野 靖1、 益田 宗孝1、 吉川 貴己1、2
所属機関:
1横浜市立大学・附属病院・外科治療学、 2地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立がんセンター・消化器外科

Background & Aims: We previously demonstrated that body weight loss (BWL) at one month after gastrectomy, a common finding after surgery for gastric cancer, was an independent risk factor for the continuation of adjuvant chemotherapy with S-1. However, it is unclear whether BWL after gastrectomy leads to poor survival through poor compliance to adjuvant chemotherapy with S-1. Methods: We conducted this follow-up study in the same cohort as our previous study. Overall survival (OS) and recurrence free survival (RFS) were examined in 103 patients who were underwent curative D2 surgery and were pathologically diagnosed with stage II or III gastric cancer, and who received postoperative adjuvant chemotherapy with S-1 between June 2002 and December 2011. Results: The median follow-up period was 54.3 months. The five-year survival rate in the patients with a BWL of <15% was 59.9%, while that in the patients with a BWL of ≥15% was 36.4% (p=0.004). Univariate and multivariate analyses for overall and recurrence-free survival demonstrated that the pathological stage and BWL were significant risk factors. The five-year recurrence free survival rate was 56.4% in the BWL <15% group and 36.4% in the BWL ≥15% group (p=0.016). Conclusions: The survival of patients with a BWL of ≥15% at one month after gastrectomy was poor due to the insufficient efficacy of adjuvant chemotherapy with S-1. The prevention of body weight loss after gastrectomy is critical for improving survival by enhancing compliance to adjuvant chemotherapy with S-1 and by ensuring the efficacy of adjuvant chemotherapy with S-1.


スキルス胃癌細胞由来エキソソームが腹膜組織におよぼす影響

演  者:
奥野 倫久1、2、 八代 正和1、2、 三木 友一朗1、2、 北山 紀州1、2、 笠島 裕明1、2
中前 博久3、 中根 孝彦3、 日野 雅之3、 平川 弘聖1、 大平 雅一1
所属機関:
1大阪市立大学・大学院医学研究科・腫瘍外科、 2大阪市立大学・大学院医学研究科・癌分子病態制御学、 3大阪市立大学・大学院医学研究科・血液内科

【目的】スキルス胃癌は高頻度に腹膜転移し極めて予後不良である。我々は、スキルス胃癌細胞から産生される因子が腹膜を転移しやすい環境(pre-metastatic niche)に変化させていることを報告してきた(Cancer 77:1668-75, 1996)。最近、エキソソームは細胞間相互作用に重要な役割を果たしているしていることが明らかにされている。そこで本研究は、スキルス胃癌細胞株由来エキソソームが腹膜のpre-metastatic niche形成に関与しているかを明らかにすることを目的とした。
【材料・方法】材料は、スキルス胃癌細胞株OCUM-2MD3、腹膜中皮細胞、骨髄より樹立した骨髄由来間葉系幹細胞(Bone marrow-derived stromal cells, BM-SCs)を用いた。OCUM-2MD3由来エキソソームをPKH26にて標識し、ヌードマウス尾静脈から単独投与あるいはBM-SCsとの混合投与を3週間行った後、マウス各臓器におけるOCUM-2MD3エキソソームやBM-SCsの分布を検討した。また、エキソソームの腹膜中皮細胞への集積性や、エキソソームが中皮細胞の形態におよぼす影響を検討した。さらに、胃癌手術標本における原発巣、正常胃壁、腹膜中皮細胞(大網、小網、後腹膜)へのエキソソームの分布をエキソソームマーカーのひとつであるCD9免疫染色にて染色強度、および臨床病理学的因子との検討を行った。
【結果】in vivo検討により、スキルス胃癌細胞由来のエキソソームがマウス腹膜に集積を認め、一方BM-SCsは胃に集積していた。in vitroの検討により、スキルス胃癌細胞株のエキソソームが腹膜中皮細胞内に取り込まれることが確認され、さらにエキソソームにより敷石状の腹膜中皮細胞が紡錘形に形態変化し細胞間隙が認められた。また、原発巣におけるCD9発現と大網、小網、後腹膜の腹膜中皮細胞のCD9発現との間に相関を認め(p<0.001)、さらに臨床病理学的T因子、N因子、M因子、CY因子とCD9発現が有意に相関していた。
【結論】スキルス胃癌細胞のエキソソームは腹膜に集積し、中皮細胞の形態変化を促進することで、pre-metastatic niche形成に関与していることが示唆された。


進行胃癌に対する術前補助化学療法の予後予測マーカー検索(COMPASS試験biomarker研究)

演  者:
大島 貴1、 吉川 貴己2、 宮城 洋平3、 森田 智視4、 田邊 和照5、 西川 和宏6、 伊藤 友一7
青山 徹2、 林 勉2、 尾形 高士2、 長 晴彦2、 横瀬 智之8、 利野 靖1、 益田 宗孝1、 坂本 純一9
所属機関:
1横浜市立大学・大学院医学研究科・外科治療学、 2地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立がんセンター・消化器外科、 3地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立がんセンター・臨床研究所、 4京都大学・大学院医学研究科・医学統計生物情報学、 5広島大学・大学院・消化器・移植外科学、 6独立行政法人国立病院機構大阪医療センター・外科、 7愛知県がんセンター中央病院・消化器外科、
8地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立がんセンター・病理診断科、 9公立学校共済組合東海中央病院

【目的】COMPASS試験は,局所進行胃癌に対する術前補助化学療法(NAC) としてS-1+CDDP (SC)とpaclitaxel+CDDP (PC)を比較するとともに,2コースと4コースを比較する2×2のランダム化第二相試験である。primary endpointである3年生存割合では,レジメン別,コース数別ともに有意差はなかった。しかしながら,NACの施行前にそれぞれの症例における各レジメンの予後予測が可能となり,より予後の良好なレジメンを選択するNACの個別化治療が可能となれば,治療成績の向上が期待される。本研究では,COMPASS試験バイオマーカー研究としてNACの予後予測マーカーを検索した。

【方法】COMPASS試験に参加した83症例のうち,検体が得られた80症例を対象とした。NAC施行前に施行した内視鏡生検のパラフィン包埋切片より癌部をマニュアルダイセクションしてmRNAを抽出し,定量PCR法にて127遺伝子の発現を測定した。次にこの127遺伝子のそれぞれの発現値のカットオフ値を変化させて二つのサブグループを作成し,3年生存割合に対して,SCおよびPCの各レジメンとサブグループとの交互作用がP<0.01で有意となる遺伝子をNACの予後予測マーカーとして検索した。

【結果】NACの予後予測マーカーとしてClaudin3(CLDN3)およびthrombospondin-1(THBS1)が同定された。SCでより良好な3年生存割合が得られたのはCLDN3遺伝子が高発現,THBS1遺伝子が低発現の場合であり,PCでより良好な3年生存割合が得られたのはCLDN3遺伝子が低発現,THBS1遺伝子が高発現の場合であった。

【結論】局所進行胃癌に対するSCまたはPCのNACの予後予測因子としてCLDN3およびTHBS1が同定された。NAC前の内視鏡生検を用いてこれらの遺伝子を測定することにより、NACのレジメン選択の可能性が示唆された。


HER2陽性胃癌に対するトラスツズマブ併用療法の多施設共同コホート研究(KSCC1105)

演  者:
岩槻 政晃1、 牧山 明資2、 柏田 知美3、 高橋 郁雄4、 江見 泰徳5、 楠本 哲也6、 山本 一治7
石川 啓8、 根来 裕二9、 下瀬 堯之10、 沖 英次11、 佐伯 浩司11、 掛地 吉弘12、 馬場 秀夫1
前原 喜彦11
所属機関:
1熊本大学・大学院生命科学研究部・消化器外科学、 2独立行政法人・地域医療機能推進機構九州病院・血液・腫瘍内科、 3佐賀大学・医学部附属病院・血液・呼吸器・腫瘍内科、 4日本赤十字社松山赤十字病院・外科、 5社会福祉法人恩賜財団済生会支部福岡県済生会福岡総合病院・外科、 6独立行政法人国立病院九州医療センター・外科、 7伊万里有田共立病院・外科、 8地方独立行政法人佐世保市総合医療センター・消化器外科、 9高知県・高知市病院企業団立高知医療センター・消化器内科、 10九州臨床研究支援センター、 11九州大学・大学院・消化器・総合外科、 12神戸大学・大学院・食道胃腸外科学

【背景と目的】ToGA 試験においてHER2 陽性胃癌に対するトラスツズマブの効果が示され、実地臨床においてトラスツズマブは広く使用されているが、2次治療を含めた長期follow upの報告は十分でない。今回、KSCC 1105観察研究の登録症例のうち、一次治療としてトラスツズマブを使用した症例の長期治療成績を報告する。
【方法】2011年3月から2014年1月までに、KSCC 1105研究参加の36施設でトラスツズマブを含む併用化学療法を施行したHER2陽性進行再発胃癌181症例のうち、一次治療としてトラスツズマブ併用化学療法を施行した適格例123例を対象に長期の安全性と有効性を検討した。
【結果】年齢の中央値は69歳(28-85歳)、男:女=99:24例、PS:0/1/2/3/4=71/38/9/3/2例、組織型は分化型/低分化型/その他=76/42/5例、HER2 IHC3+/FISH陽性=100/23例であった。1次治療の奏効割合は37.4%、無増悪生存期間7.1カ月、1年無増悪生存割合は24.8%、全生存期間中央値は15.3ヵ月、3年生存割合は15.7%であった。CTC-AE Grade3以上の主な有害事象は、血液毒性として好中球減少30.8%、貧血25.8%、非血液毒性として食欲不振7.3%、低Na血症16.2%、低K血症9.4%であった。心障害として駆出率減少を全Gradeで10.6%、Grade3以上は4.9%に認め、そのうちGrade3以上の心不全合併例を1例認めた。のべ27件のInfusion reactionが発現し、重篤なものはそのうち2件であった。二次治療においてトラスツズマブを継続したTBP (trastuzumab treatment beyond progression)群は59例、継続しなかったnon-TBP群は26例、二次治療未実施のBSC群は38例であった。TBP群とnon-TBP群の患者背景は両群間で有意差は認めなかった。初回治療開始日からの全生存期間中央値は、TBP群17.9 カ月、non-TBP群15.2 カ月、BSC群10.2ヵ月とTBP群で予後良好な傾向を示した。
【結論】HER2陽性進行再発胃癌に対する一次治療におけるトラスツズマブ併用療法は実地臨床においても長期的にも忍容性に問題なく施行可能であり、有用であることが示唆された。


切除不能進行・再発胃癌患者の二次治療例を対象とした nab-PTX/RAM療法の第II相試験

演  者:
下平 秀樹1、 坂東 英明2、 藤谷 和正3、 髙島 淳生4、 山口 研成5、 中山 昇典6、 髙橋 威洋7
沖 英次8、 東 瑞智9、 仁科 智裕10、 廣中 秀一11、 小松 嘉人12、 設樂 紘平2
所属機関:
1東北大学・病院・腫瘍内科、 2国立研究開発法人国立がん研究センター東病院・消化管内科、 3地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪府立急性期・総合医療センター・消化器外科、 4国立研究開発法人国立がん研究センター中央病院・消化管内科、 5公益財団法人がん研究会有明病院・消化器内科、 6地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立がんセンター・消化器内科、 7昭和大学・病院・腫瘍内科、
8九州大学・病院・第二外科、 9北里大学・病院・消化器内科、 10独立行政法人国立病院機構四国がんセンター・消化器内科、 11千葉県がんセンター・治験・臨床試験推進部、 12北海道大学・病院・腫瘍センター

【背景】
パクリタキセル(PTX)は胃癌に対する標準治療薬の一つであり,RAINBOW試験の結果からPTX/ramucirumab(RAM)併用療法が本邦の胃癌治療ガイドラインで最も推奨される二次治療と位置付けられている.アルブミン懸濁型パクリタキセル(nab-PTX)は,既存のPTX製剤で必要とされたCremophor® ELや無水エタノールの溶媒を必要としないため,溶媒に起因した過敏症の発現リスクがなく,アルコール不耐患者へも投与可能になるなど利便性を向上させたPTX製剤である.ABSOLUTE試験(Shitara K, et al. Lancet Gastroenterology & Hepatology 2017)において,nab-PTXの毎週投与法は胃癌二次治療としてのPTXに対する非劣性が検証されたため,我々はnab-PTX/RAM併用療法の有効性及び安全性を評価することを目的とした第II相試験を実施した.(JapicCTI-153088)
【方法】
対象は,フッ化ピリミジン系抗悪性腫瘍剤を含む初回化学療法に不応(初回化学療法中あるいは初回化学療法終了後に増悪,又は術後補助化学療法中あるいは終了後24週以内に再発した)となり,RECIST v1.1で定義された測定可能病変を有する切除不能進行・再発胃癌(食道胃接合部腺癌も含む)患者とした.投与方法は,nab-PTX 100 mg/m2をday 1,8,15,RAM 8 mg/kgをday 1,15に投与し,28日間を1サイクルとした.主要評価項目は独立評価委員会による全奏効割合とし,副次評価項目は無増悪生存期間,全生存期間,病態制御割合,安全性とした.閾値奏効率を20%,期待奏効率を40%と想定し,片側有意水準5%で検出力80%を確保するために38例(FAS)を目標症例数と設定した.本試験は大鵬薬品工業株式会社の依頼に基づき治験として実施した.
【結果】
2016年1月から2016年5月に国内12施設から45例が登録され,43例で本併用療法が投与された.主要評価項目の主解析は2016年12月31日にデータカットオフし現在解析中である.有効性及び安全性の結果の詳細は学会当日に報告する.